いい話や 涙が出るわ

 ――「私の履歴書」(日本経済新聞)のなかで、宮城でホームセンターを運営するアイリスオーヤマのグループ企業、ダイシンの気仙沼店の店長が暖房用の灯油1人10リットルまで、無料で配ったエピソードがありました。

 「あの行動こそ、BCPですよ。雪が降り寒さでこごえている住民がいる。目の前に灯油がたくさんある。

お金も手元にない人ばかり。本部は電話もつながらず確認できない。気仙沼店の店長は、クビになってもかまわないと顧客に灯油を配りました。困ったときは、助けるんだと決めて。美談ですよね」

 「後日談があり、彼はダイシンの社長になりました。このエピソードが社長就任の理由ではないけれど、そういった判断のできる人がトップになるべきなのです。今、気仙沼店は、地域で一番の売り上げです。

なぜなら、地域の人は、助けてもらったことを忘れていないからです。どうせ買うなら助けてもらった店で買いたい、と思うでしょう」

  「気仙沼に限りませんが、電気がなければレジが動かず、支払いができなくなります。

お客さんもお金がない、釣り銭もなくて買えない。そこで、大学ノートに住所と名前、いくらの商品を買いました、と書き留めてもらい、お金は後でいいからと手渡しました。そんなのマニュアルにできないでしょう。しかし、そのお金は全額返ってきましたよ」