読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「ごゆるり」

夏目漱石の『草枕』という

小説に、「床を延べる時には

ゆるりと御休みと人間らし

い、言葉を述べて、出て

行った」という一文があり

ます。

ここに出てくる「ゆるり」

は、「ゆっくり」と「ゆった

り」の両方の意味をもつ

大和言葉

ゆっくりは主に時間、ゆった

りは主に空間のゆとりを表現

する意味なので、

「ゆるり」はその両方の意

味を兼ね備えていると

いえます。その「ゆるり」の

丁寧語が「ごゆるり」です。

「ごゆるり」は、時間・空間

のゆとりを表す言葉です。

お客さまがいらっしゃた際

などに「ごゆるりとおくつ

ろぎください」と言えば、

気兼ねなくゆっくりして

もらいたいという気持ち

を、さらに強めて伝え

られます。

ちなみに現代では、就寝の

際に「お休みなさい」と

挨拶しますが、昔の人は

「ごゆるりとお休み」と

声をかけ合っていました。

それがいつのまにか

「ごゆるり」が省かれ、

「おやすみなさい」と

なったようです。